このプロジェクトは、杭州市拱墅区にある新天地コンプレックスの南側に位置しています。周囲の建物は比較的密集しており、主にオフィス、商業施設、住宅が建ち並び、多様な機能を有しています。都市生活に密着したこの敷地において、新館と周辺環境の間に友好的な対話と相互関係を構築し、都市の活力に満ちた美術館を目指しています。
敷地は東西約60メートル、南北約240メートルの不規則な細長い形状で、西側と北側には高層オフィスビルが立ち並び、南端には幼稚園が位置しています。南西隅は都市公園に指定されています。これを踏まえ、建物の主要部を北側に配置することとし、周囲の高層ビル群との空間的な一体感を創出しました。同時に、南側に向かうにつれて建物の高さを低くすることで、建物のボリューム感を小さくしています。通り沿いに開放的な中庭を設け、地域サービスセンターとしての機能と組み合わせることで、南端の幼稚園や隣接する都市公園との良好な交流を促し、心地よいスケール感を持つ街路沿いの日常活動空間を創出しています。
美術館上部の展示スペースは、二重構造の呼吸するカーテンウォールを採用しています。外層はフリットガラスでできています。Low-Eガラス内層にはU字型ガラスを採用し、2枚のガラスの間には幅1200mmの換気キャビティを設けています。この設計は、熱気が上昇する原理を利用しており、キャビティ内の熱気は上部の換気グリルから大量に排出されます。そのため、真夏の暑い時期でも、室内のU字型ガラスの表面温度は屋外温度よりも大幅に低く保たれます。これにより、空調システムの負荷を効果的に軽減し、優れた省エネ効果を実現します。
Uプロファイルガラス優れた光透過率を誇り、自然光を均一に室内に取り込みます。展示空間に柔らかく安定した照明環境を提供します。さらに、その独特な形状と素材の特性は、室内に独特の光と影の効果を生み出し、空間の重層性と芸術的な雰囲気を豊かにし、来場者に他に類を見ない視覚体験を提供します。例えば、西ギャラリーでは、U字型ガラスから取り込まれる光が建物の内部空間構造と相互作用し、静謐で芸術的な雰囲気を醸し出します。
U型プロファイルガラスを採用することで、美術館の外観は透明感と軽やかな質感を帯び、建物全体のモダンなスタイルと調和しています。外部から見ると、上部のカーテンウォールに太陽光が当たると、U型プロファイルガラスと外側のフリットLow-Eガラスが互いに調和し、クリスタルのようにクリアな視覚効果を生み出します。美術館はまるで街に浮かぶきらめく巻物のように、建物の象徴的なステータスと認知度を高めています。
の応用Uプロファイルガラス建物内部の開放性と透明性を高める効果も期待できます。美術館の設計においては、二重構造のカーテンウォールの内層として、通風キャビティや外側のガラス層と連携し、開放的な空間体験を生み出しています。これにより、屋内外の空間の相互作用とコミュニケーションが促進され、美術館を訪れる来館者は外部環境との繋がりを実感できます。

投稿日時: 2025年12月3日